日本社会の疑問を考えるブログ

日本社会で生きづらさを感じるすべての人へ…

何を基準にして偏向報道か?

 政権や日本を批判するものだけ偏向報道という思考停止人間がウヨウヨいるが、偏向報道はそれだけにとどまらず、むしろそれを肯定するものからの報道も偏向報道となり得ることを示したい。

「偏向」って何?まず定義しよう

 デジタル大辞泉によると、「偏向」は次の意味をもつ:

考え方がかたよっていること。また、その傾向。「偏向した教育」「保守主義的偏向」

(もう一方の意味は、本記事と関係ないため省略。閲覧希望者はこちらへ)
デジタル大辞泉より

すなわち、「偏向報道」は次のような意味になる:

偏った考えをもった者が、事実を曲解して伝達すること。もしくは、その偏った考えを異なる考えの者からの推敲を得ずにそのまま伝達すること。いずれも、特定の人のみの都合がよいようにする、もしくは特定の人を貶めることが目的である。

ここから、「偏向報道」は、決して日本およびそれに関するものの批判だけにとどまらないと読み取れる。すなわち、君たちネトウヨ諸君が大好きな産経新聞日本文化チャンネル桜、月刊正論、といった政権に肯定的なメディアからの報道が偏向報道となる可能性もあるといえるわけだ。日本語が読めればな!ネトウヨ君、日本が大好きなくせに日本語も読めないんですかw?

政権肯定メディアが偏向報道になる例

 さて、この偏向報道は、偏った見方をする報道だと述べた。偏った見方の記事ができる原因は、偏った考え方の人だけが当該記事を書くことである。ここからも、日本およびそれに関するものの批判「だけ」が偏向報道になるとは限らないことがわかる。
 実際、政権肯定メディアとして名高い産経新聞や、月刊正論でそのような光景が見られる。

産経新聞の場合

反日日本人をあぶりだせ
(正確な内容は失念したが、このような内容の記事だったと覚えている)

さすがに実際の記事はここで終わっていたが、表現の自粛がなければ、この後に「リンチせよ」とか「殺せ」といった物騒な単語が来そうなことは想像に難くない。ただ批判をしただけにもかかわらず、批判の内容も見ずに反日だ在日だと騒ぎ立てるのはどうかと思うが。

日本文化チャンネル桜の場合

キムチを食べるのは低所得者
(2011年の番組。笑っていいともの放送内容をもとに取り上げた)

日本にもキムチ文化は浸透しており、特に所得関係なく食べている。韓国の伝統料理であるキムチを貶めたいが故、「まともな人は低所得者にならない」という論理*1をここにねじ込んだものである。

月刊正論の場合

セクハラはチンパンジーでもやっている
(7月号の特集より)

だからと言って人間がやっていいわけにはならないだろう。

国が偏向報道をする例

 政府だって偏向報道をすることがある。その具体例を示す。

「女性は子供を産む機械

ご存知の通りこれはある政治家の発言である。人間を人間と見ず、機械呼ばわりする発言である。前の記事で当該発言を批判したので、ここでは重ねて批判しない。他にも

三国人」「犯罪を犯す民族的DNA」「やまゆり園事件の犯人の気持ちがわかる」
(石原慎太郎氏の発言)

このような発言をする政治家もいる。こちらも人権を無視した発言と言わざるを得ない。

…ん?そうだとすると、自民党自体が偏向しており、偏向報道の発信元であるという結論になるぞ?

*1:なお、所得は親の所得およびそこから生まれた環境によるものとされており、この時点で偏向的である。