政府も嘘をつくことをお忘れなく
前回、政権肯定メディアと政府が偏向報道をしないわけではないことを取り上げた。「真実ならいいだろう」と開き直るバカウヨも多数いると思うので、今回は報道の真贋に焦点を当て、やはり政府も嘘をつくことを示したい。
具体例から考える
これは、戦時中の朝日新聞の1面である。いまでこそ政権批判に熱心であるというジャーナリズムの本質を見失っていないメディアであるのだが、当時は朝日新聞も政権肯定メディアであった。もっと言うと、すべてのメディアが大本営発表を垂れ流していたというとんでもない状況であった。
一見この新聞、ミッドウェー沖で米軍戦艦・エンタープライズを撃沈させるなど、善戦と見える文面をしている。だが、この新聞が発行されたのは戦争末期、そう、米軍の猛攻により日本軍が敗戦寸前となった時期である。つまりこの新聞、書いてあることが嘘なのである。これを見てバカウヨどもは「戦時中でさえも嘘を書いていたのかwwwチョンイル*1新聞はwww」などと思われるかもしれないが、すべてのメディアがこんなことを書いていた、というか、批判したものは表舞台より消されてしまったことを思い出してほしい。*2さて、このような状況は何が原因で生まれたのだろうか?答えは明白、そう、日本政府に他ならない。政府が勝っていると嘘をつき、次いで「負けている記事を書くな」と各メディアに圧力をかけたせいで、すべてのメディアがこのようなことを書くことになってしまったのである。
嘘は圧力から
このような国家主導の嘘はすべて政府の圧力によるものだ。トップ同士で話し合って政府に有利な記事になるようけしかけたり、*3不利な記事を書いたものを何らかの形で失脚させたりする。現時点では金銭的手段や政府広報でのプロパガンダが手法としてあげられる。日本人は政府を疑おうとはしない傾向にあるので、流されてしまうことに懸念が持たれる。
さて、安倍首相は、以下のような内容のことを言った。
「偏向報道をするメディアからは放送免許を剝奪すべき」
「政治的中立性がなくても問題ないように法律を改正すべき」
文面だけではこれらは互いに矛盾するよう思えるのだが、「偏向報道」を「どこを基準で見るか」で恐ろしいことが見えてくる。もし政府基準で見るとすると、政権批判をするメディアは文字通り目の上の瘤なのだ。だからこれらを「偏向報道」と言い換えているのだ。さらに、「政治的中立性」というのは、このままでは政権寄りで中立性がないじゃないかと考える中道視点の人に向けて、「法律を改正したから問題ないよね?ん?」というためのものであると推測できる。このように、左派、中道メディアを排除していく方向でメディア全体を政権寄りにしようとしているのだ。