日本社会の疑問を考えるブログ

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「加害者家族」と「犯罪者」に対する過剰な差別

 誰かが犯罪行為を行った際、犯人はもちろん制裁を受けるのだが、ここ日本ではなぜかその家族や、下手すると親戚にもマスコミが押し寄せ、脅迫状が届き、社会的差別の対象になる。だが、制裁されるべきなのは犯人だけで、それも限度があるのでは?

過剰な社会的差別

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 誰かが犯罪行為を行ったとする。もちろんその人が真犯人もしくはそれに対し教唆を行った、あるいは手助けをしたのであれば刑事罰相当であり、法に従ったそれなりの制裁を受けるのは問題ない。しかしながら、犯人に対し過剰な社会的差別を行ったり、共犯でなく教唆もしていない家族や親戚まで社会的差別の対象となることがここ日本ではしばしばある。
 まず、マスコミ各社が勝手に犯人宅もしくは実家・親戚宅の住所を調べて押しかける。家族の都合などお構いなしだ。何も知らないというのに無理やり答えさせられる。回答を拒否すれば「なんとふてぶてしい。犯罪者の一味だ」といわれ、回答したとしても内容によらず悪い方向に論理をつなげていく。犯行やその動機とは無関係であるはずの卒業アルバムも取材対象で、実際にそこから無理やり犯人の人格否定につながっていく。犯行の動機なんて性格とは無関係な場合が多々あるにもかかわらず、とにかく無理やり結び付けていく。まさに「歴史はスタジオで作られる」のである。
 そのあと、その情報を見聞きした(だまされた?)周囲からの嫌がらせが始まる。悪い噂を立てられることから始まり、自宅への落書き、ガラスを割られる、脅迫状や電話など、枚挙にいとまがない。なお、これらもまた犯罪となることを周囲は理解していない。まるで「犯罪者には何をしてもいいや」と思っているのだろうか?…などといえば「これは差別でもリンチでもない。制裁だ」とのたまう。
 結果家族は離散することになり、仕事も辞めざるを得なくなる。別に犯罪行為にかかわっていないのに。それでも嫌がらせはやまず、結局は自殺しか道が残されていない、なんてこともよくある。一方で、犯人とされた人*1の人生はめちゃくちゃだ。社会復帰もままならない。なお、このような人々の「その後」や「困窮している現状」「彼らへの支援*2」が取り上げられることはほとんどない。もちろん、芸能人を適当に走らせて、社会的弱者に体罰を加えて無理やり感動ストーリーに仕立て上げることで経済効果抜群の「あの番組」が取り上げる気などさらさらない。

加害者家族は無関係です、あと当事者の社会復帰を支援した方がいいんじゃないですか?

 まず加害者家族への嫌がらせについて書いておく。共犯や教唆でもない限りそもそも犯人と家族は無関係だ。百歩譲って少年犯罪に限り親の責任をある程度認めているだけだ。そのくせしていい年こいた人間の犯罪行為の責任をなぜ周りがとらねばならないのだ?年齢が上がってくれば親、ましてやほとんど接触のない親戚の影響などほとんどない。従って全く犯罪には関与していない。関与していないのになぜ罰されねばならぬのだ?まるで大昔の五人組制度だ。日本人は近世に回帰したいのか?それと、「犯罪抑止力になる」という方がいるが、まったくなっていないことを指摘しておく。ひどい嫌がらせによって社会的に抹殺された場合、そいつらどうやって生きていけばいいの?生きる場所がないから結局犯罪行為に手を染めてでも生きようとするよ?それと、そもそも嫌がらせの時点で犯罪だってことを認識したまえ盲目で愚かな日本人どもw。(犯人以外の)悪い噂を流したら名誉毀損罪、住居に落書きをしたら器物損壊罪、脅迫状や電話を送ったら脅迫罪だ。例を挙げるのはこのくらいにしておくが、刑法における犯罪行為は行動主体を定義していない。自称・正義の味方の皆さんが行う「正義の名における制裁」は何でも無罪になるとでも大きな勘違いをしているようだが、法律の下ではそれはただの犯罪者だ。お前らが恨んでいる犯罪者と何ら変わらないことを認識したまえクズどもがw。
 それともう一つ。よく蔑ろにされがちだが、犯人(とされた人)の社会復帰についても考えねばならない。社会復帰がうまくできていないから再度犯罪行為に手を染め、無理やり生きようとする。それでは全く犯罪は減らない。一応善良な市民を自称する愚かなクソ日本人どもに言っておくが、犯人を恨むのは犯罪行為をされて何らかの不利益を被るからだろう?だとすると犯罪件数自体を減らさねばならない。そこで出所後社会復帰ができなかった人が再犯したら何の意味もあるまい。よく結果がどうなるか考えてから過程を選びたまえw。
 社会復帰の支援についてだが、方法論を簡単に1つ挙げよう。それは刑務所以外にも、新しく作る、あるいは軽度の犯罪行為をしたものが収監されている刑務所を改造する形で社会復帰支援施設を新設したらどうだ。刑務所で十分な心理的更生ができたと判定された場合、社会復帰支援施設に移動させる。そこではより実践的な職業訓練(出所後生活できるように、設置都道府県の最低賃金程度を支給する)を行い、労働基準法をきちんと守っている会社*3への就職支援、あるいは自営・起業の支援を行うものである。一方で、老化により社会復帰が困難な受刑者には同様に介護施設の紹介などをすればよいと考えられる。

追記・これを犯罪助長と誤認される方へ一言

 とりあえず、「犯人の周りに嫌がらせをしないこと」と「受刑者の社会復帰支援」のどこが犯罪行為の助長ととれるのですか?別にこの人たちに犯罪行為を教唆しているわけでもないし、その道具を譲渡しているわけでもない。そのくせしてどういう因果関係で犯罪行為を助長すると言えるのですか?きちんと論理だてた理由を並べて説明したまえw。結局社会という枠組みで苦しめられているから、外れた人とかその周りを叩くことで自己満足してるんじゃないの?とんだ卑劣野郎だな。

*1:誤認逮捕の可能性があるため、こう記した。

*2:一応、犯罪行為をするための手助けではないことをここに記しておく。ミスリードするお方が多数いらっしゃるので。

*3:ここ重要。労働基準法を守っていない企業へ行くと、やはり困窮して再犯のおそれがある。ちなみに、ブラック企業で働けないのが甘えとする風潮があるが、むしろ労働基準法を守れない会社しか作れず、黙認されるからとそのままにしておく社長のほうが無能であり、甘えである。