Fuck Japanese Culture!!!

最近各種メディアでは執拗な日本礼賛がブームとなっている。そこで、ここではあえて日本文化の問題点を取り上げ、それについての批判を行う。

日本の大学の崩壊シナリオ

 過去に、日本の研究開発環境の酷さについて記事を書いたが、研究の中枢となる大学は、国立でさえも経営ひいては研究環境が苦しいものとなっており、日本の大学が衰退することが現実味を帯びてきた。そこで、ここでは日本の大学の崩壊シナリオを考えたい。

国立大学倒産の序章~学費値上げ~

 ある書籍にこのような記述があった。

人口減少カレンダー
2018 18歳人口が大きく減り始める。やがて国立大学も倒産の危機


引用元
「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」、河合雅司 著、講談社現代新書、p224

 「え?国立は国が税金で運営しているから倒産なんかないんじゃないの?」とお考えの方、とりあえず「国立大学」は「独立行政法人」であることを思い出してほしい。独立行政法人は投入される助成金が私立大学より多いだけでそれ以外は私立大学と変わらない。…そんな中、こんなことがあった。
headlines.yahoo.co.jp
 もともと国立大学は、その名が示す通り昔は国営だった。その時の学費は年10万円未満だったという。しかし、国立大学法人化に伴い、国営ではなくなり、学費を文部科学省が設定した標準額・53万5800円での運営を始めた。ところが東京工業大学(東京都目黒区)は、さらに値上げをし、63万5400円とするという。大学当局の発表では値上げ分で外国人研究者の招へいや学生向けe-learningサービスを充実するとあったが、経営が苦しくなったから大義名分を値上げの口実にしているようにしかみえない。
 このニュースの時点では値上げが決まったのは東工大だけだ。しかしこれから他の大学、特に医学部医学科(解剖学実習など、資材の料金が高い)や地方の大学(そもそも人が少ないため、入試受験料や特許収入などが期待できない)も追随して値上げしていく可能性が高い。なお、文系学部(特に文学部)はいくら学問的価値があっても廃止に追い込まれるだろう。だって国が「オナニート*1の烙印を押しているから。

国立大学の経営難の原因

 まず、当たり前だが資金不足があげられる。資金がなければ研究ができない。論文には高額な購読料がかかる*2し、理系学部は実験装置が必要だ。これらはどんなに安くても数百万円は下らない。数億円単位の価格がつけられているものも存在する。結果、北欧のように完全国営として高い税金をかけて面倒を見るか、アングロサクソン国家のように学費を超高額にして賄うしかない。が、日本の場合税金を上げてはいるが、こちらにも入ってくる感じはまったくない。となると特許収入が思いつくが、これも日本ではあまり一般的ではない。
 次に、見落とされがちなのだが、国立だから、税金が潤沢に投入されるからと施設を無駄に作りすぎたことが原因であろう。確かに研究室は学生や教員の居住環境の良好化や安全のため、また理系学部では実験装置を置く都合上、広くとらねばなるまい。しかし問題はそこではない。例えば学生数と比べやけに多い講義室、やたらとオシャレな学食、何に使えるのかわからない展望台*3である。そんなどーでもいーことに無駄金を使うからこんなことになったんだろうが。そんな道楽にうつつを抜かしているなら、その間に研究設備を拡充したり、優秀な学生・研究者の囲い込み、あるいは貯蓄運用をしておけばよかったのに。完全な経営方針のミスである。
 最後に、優秀な人材のヘッドハンティングを行わなかったことが原因であろう。確かにこのような人材を投入するためには学費減免、破格の給与といった経済的な痛手を負うことになる。が、あくまでこれは投資の一部である。これを行うことで将来莫大な特許収入や学生をもたらす可能性が大いにある。しかし日本の国立大学はそんなことをせず、前述のどうでもいい施設ばかりを馬鹿の一つ覚えのように増やしていった。そればかりでなく、優秀な外国人を呼び込むため外国語での履修を可能にすることといった言語的な配慮*4をしなかったため、そもそも外国人が来なかった、あるいは来てもすぐ出て行ってしまったことが原因であろう。

大学崩壊のシナリオ

 ここからは、将来起こりうる大学が消えていくシナリオを考える。上述の文献の著者である河合氏と異なり、いつこうなるかの予想までは立てられないことをお許し願いたい。

  • 先述の東工大に追随する形で他の国立大学も学費値上げを始める。学生や資材の確保が難しい医学部医学科や地方大学の値上げ幅が激しい。一応大学は大義名分を並べてはいるが、単に経営が苦しくなったからこうしているにすぎない。当然このような大義名分を達成することはない。
  • 人材不足や無駄な施設の維持費のせいで、学費を値上げしても経営が改善されない。さらに上げようとすると今度は文部科学省からお叱りが入る。「搾取するために学費を上げてるよね?今度そんなことしたら補助金カットするぞゴルァ」と。一方で学費が安く、student loanでなくscholarshipの方の奨学金が充実しており、さらに研究なども進んでいる海外の大学の存在に気づいた学生はさっさと渡航。日本の大学の現状を見るとそこで大学生活を送ることの馬鹿馬鹿しさしか感じないので。
  • その結果、経営ができなくなる大学から学部学科廃止・改組もしくは倒産していく。政府から「オナニート」扱いされた文系学部や、定員割れをしている私立大学が中心となるが、国立大学も相当数倒産していく。一方で、活路を見出す大学も存在する。例えば研究を捨てて職業訓練校(卒業時の学歴が違うだけの実質専門学校)となるもの*5や、軍事研究を受け入れて補助金をゲットするものが挙げられる。
  • 脚注に示したGlobal大学もこれではどうしようもなくなり、これすらもLocal型大学となるか、軍事研究を受け入れることになる、あるいは学費が超高額になる。最後に挙げた大学は学生不足となり、やはり倒産する。軍事研究を行っている大学についても、政府が改憲を行い、戦争を始めると軍事教練や作戦の拠点となる。
  • 結局日本に残るのは「職業訓練校」「研究をしない防衛大学校のようなもの」だけが残る。しつこく書くが、平和的な研究機関としての大学は完全に姿を消す。

*1:実用性が即時に生じると断定できない研究のこと。

*2:例えば、Journal of Human Development and Capabilitiesは24時間のアクセス権で24.5 USD、1か月のアクセス権で221 USDがかかる。このような購読契約を更新しつづけ、かつその他いろいろな論文誌を購読することになるので、合計額はとても大きくなる。

*3:地球惑星科学系の学科で、天文学の観測に使う望遠鏡室は除く。

*4:現時点であるのは、せいぜい研究室内で形式的に英語を話すことを行っているくらいである。そのため研究室内でもコミュニケーションは日本語である。また、日本人の性格上、彼らは外国人とは付き合わないため、居づらさを感じた外国人は出て行ってしまう。

*5:政府内に、一部入学難易度がとても高い大学のみを今まで通りの研究機関(Global型大学)として、残りを職業訓練校(Local型大学)とする案がある。なお、東大といえども学部によっては後者になるとのことである。結果、その学部特有の学問が学べなくなる学部も出てくる。