日本社会の疑問を考えるブログ

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国を批判しただけで科研費カットですか

 研究はさまざまな角度からなされるものだ。そのため、時には自国や政府を批判する局面も出てくる。が、日本政府はそれを認めず、やろうものなら科研費カットも辞さない姿勢だ。

法政大学の声明から見る政府の圧力

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法政大学市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区・文系学部)のポアソナードタワー。ちなみに、文系大学院は外堀向かいに、理系キャンパスは八王子にある。

 2018年5月と古いが、キャリコネニュースに以下の記事が掲載された。
news.careerconnection.jp
 当該記事では、あの杉田議員が、当大学の安倍政権に批判的な教授に対し「6億円の科研費を受け取っている」と糾弾した(実際は、6億円というのは当教授だけでなく、複数の研究者への合計額だが)。それに対し、大学側はあくまで「学問の自由」を担保するという姿勢を固持した。戦時中、科学技術が殺りくに使われたように、研究が政府に恣意的に使われた。その反省を忘れず、政府からの圧力に屈しない大学の姿勢は称賛に値する。また、政府の姿勢は、自身に対し批判的な研究を、予算を削ると脅すことで見えにくい圧力をかけているというあるまじきものであるといえる。

研究不正をしていないのに?

 確かに、科研費カットそのものは様々な問題のある研究に対する制裁の一環であり、理由によっては致し方ないことがある。しかし、それを行使できるのは研究不正もしくは研究者倫理違反のみである。具体的には

  • 「捏造」虚偽の研究結果を論文誌に報告する。
  • 「盗用」すでに論文となっているものを転載する(複数の論文誌に同一内容の論文を掲載させることを含む)。あるいは、ピアレビューの過程で見た論文を自分の成果とする。
  • 「重大な倫理違反」人体実験など、犯罪行為や人権侵害の原因となるものを研究する。

 この教授は安倍政権に対して批判的であっただけで、決して総理大臣のの人格を否定したわけでない。また、上記に挙げる研究不正をしたわけでもない。だが日本政府はそれだけで彼を金銭的に圧力をかけ、寝返らせるあるいは研究の場から追放しようとしているのだ。具体的には文系の研究なら、政府やその関係者を批判しないこと、理系の研究ならば、政府にとって利益になることでなければ認めない、とするのが日本という国だ。

日本の研究の馬鹿さ加減

 結局、日本の研究などその有用性はお構いなしだ。結局日本で有意義とされる研究は、社会問題の解決でも難病治療法の解明でもなく、お上が喜ぶ研究でしかない。日本は予算が足りないため研究が少ないとは言われるが、その予算問題の原因がこれである。だから、日本で研究して素晴らしい成果を出すなど無理なわけ。もし、そんな野望があるならばさっさと留学してしまうのがよい。日本なんかより優秀な研究者と面白い研究がそこかしことあるから。