日本社会の疑問を考えるブログ

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就活の非効率性

 このブログには就活・労働というカテゴリーがある。カテゴリー名に「就活」と書いておきながらほとんどが労働関連で、日本の就活を批判する記事はない。そこで、ここでは日本で一般的な就職活動の選考プロセスを批判したい。

 

 

一般的な選考プロセス

 まず、日本では一般的な選考プロセスをここに記す。これより前に説明会やらインターンシップなども同様のプロセスが踏まれるが、ここでは本選考のプロセスのみ記す。いずれも非効率なものばかりだが、それを以下で述べていきたい。

(1)情報サイト(マイナビリクナビ、キャリタス就活など)に登録ののち、そこからプレエントリー(正式な志願ではない)。履歴書どころか志望動機も送信されない。送信されるのは志願者の連絡先だけ。そうすると志願先から連絡が来て、そこで本エントリーする。後に志望動機などを述べるのに、ここでも述べさせることも。

(2)年齢・性別・写真と細かく経歴を示した履歴書を作成し郵送させる(あるいは(3)で持ってこさせる)。そこに志望動機を書くというのに、エントリーシートを別に持ってこさせるところも。

(3)時間をおいて何度も来社させ、面接をする。中には志願者を貶すところも。

 

(1)プレエントリー

 何だか知らないが情報サイトオープン当日(本選考の1年ほど前か)の0時まで夜更かしし、時計を見ながら画面前待機。で、お手持ちの時計が00:00:00を示した途端一斉にクリック連打の応酬を情報サイトに浴びせる。当然サーバーがダウンする。こいつらサイバー攻撃の練習をしているのかな?と勘ぐってしまうが、どうも情報サイト側がこれを煽っているらしい。なんでも、早く応募した方が人事の目に留まりやすくなり、入社したい気をアピールできるかもよ、などと言っているらしい。でもさぁ、プレエントリーだけなら連絡先を企業に送るだけだし、おそらく選考に関する連絡も一斉にBCCもしくは当該サイトでするから、睡眠時間を無駄にして血眼でクリック連打しても翌日アクセスしやすくなってからプレエントリーするのと結果は変わらないと思うよ?企業なんて、そういうのを見越して余裕をもって締め切りを設定してるはずなんだから。

 非効率なのは、このプレエントリーは本選考に関する情報を受け取るための予約に過ぎないということだ。しかも、もう1回企業側のホームページでエントリーしないと応募書類送付や面接などの指示が来ないこともある。プレエントリーをしたからといって書類の送付が完了したわけではない。おそらく技術面からしてもメールもしくは企業担当者側のページで応募書類を受信できるようにすればこのプロセスはいらないし、履歴書やエントリーシートのフォームを設けておけばアレンジも簡単だし、書き損じたときも簡単に訂正ができる。どうしてもフォームからの応募書類送付が受け入れられないのであれば、企業側のページでプレエントリーしたらどうか。だとすると情報サイトはいらなくなるが…。

 おまけに、この情報サイトに登録したら、メールの処理が面倒。通知設定を切っておかなければメールボックス受信メール数が数百通を容易に超える。必要なメールとそうでないメールとの分別ができない。しかもサイト側が「企業側は未読スルーしてないか見てますよ」と通読を煽るという鬼畜っぷり。

 

(2)書類作成(~送付)

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 やっとエントリーができたかと思えば、書類作成を強いられる。だから(1)で作成・送付させておけば二度手間を防げたのに…。

 履歴書はほぼどこでも作成を強いられる。内容が大事だというのに、見た目ばかり気にするのだが、PC作成の方が見やすいし、書き損じたときのリカバリーが容易で、外見面・内容面ともにこちらの方が優れているのになぜかどこも手書きを推奨する始末。1か所でも、それがどんなに小さくても書き損じたら初めから書き直し。それを何十枚も書く。よくある反論で、気持ちがこもっているとあるが、気持ちって何ですか?紙から湧き出るガスですか?それは幻覚ですね。見えるなら精神科紹介しますよ?また、コピペ対策ともいわれるが、手書きだろうとコピペする奴はするよ。日系企業のバカ老人どもと似たことを言うが、これだから日本企業の奴らは馬鹿の一つ覚えのように非効率なことばかりする錆びた脳みそ野郎しかいないんだよ…。一体海外に何年遅れを取れば気が済むのやら。それに、ずいぶん細かく書かせる。性別や生年月日(=年齢)は勿論のこと、顔写真(人種差別を理由にした訴訟が起きないあたり単民族国家の差別に対する認識の甘さがでている)や細かすぎる経歴、おまけに扶養家族数や通勤時間、趣味特技、おまけに自己アピールまで。プライバシーという概念がないのか?それとも、ステレオタイプにはまらないものを排除する工程のうちなのか?

 企業によってはそれに加えエントリーシートを提出させるところもある。履歴書に志望動機も自己アピールも書くというのに、なぜかもう一度書かせる。絵とかよくわからないものを書かせたり、下手すると動画を提出させるところもある。

 提出法もバカ日系らしく非効率だ。何度も書いているように電子データで作成し、メールもしくはフォームで送信すればいいものを、郵送やFAX・面接に直接持参させる。特に前者は紙くずにしかならない添え状を添付しろ、という始末。ひどいところだと手書きで書かせて、それをスキャンしてから送信という、何度手間なのか数えるのもおっくうになる代物も存在する。

 

(3)本選考(面接含む)

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求める能力を何か勘違いしていませんか?


 やっと選考日になった。電話でもSkypeでも面談はできる。グループディスカッションも同じだ。とはいうもののなぜか日系企業は初めから本社に呼び出す。しかも何度も。また、選考の内容自体も不可解なものばかりだ。傍若無人な客を排除しようともせず屈するから客がつけあがる。このせいでストレス耐性とかいう意味不明なものを要求しだす。それを見る建前(おそらく本音はそこらへんでたまったストレスのはけ口なのだろう)なのが「圧迫面接」。客商売しているときとは比べ物にならない尊大な態度はもちろんのこと、志願者を口汚く貶し、しまいにはせっかく作ってきたエントリーシートを目の前で破り捨てる、なんてこともある。

 また、本来見るべきは志願者の能力(PCスキルや専門性、語学力)や経験のはずだ。その割にはやたらと細かいマナー(しかも、情報サイト側が、選考だけでなく会場入りしたときからとか、説明会の時点で見られてますよ、とやはり煽ってくる)やはっきりしない夢やら、おまけに捏造にも近い企業に対する愛を評価しようとする。マナーについては、以下のブログで批判されている。当該記事にある通り、合理性を著しく欠くものだらけである。なお、企業側は一切マナーは気にしない。マナーを人を不愉快にさせないものだとすると、以上の圧迫面接はマナー違反になりそうだが…。もしかして、マナーって、片方を都合よく制圧するための作戦か、新たなビジネスだったり?

www.atusi-sora.com

 さらに、これもマナーとやらのうちだそうだが、給与や休暇・勤務地等の労働条件に関する質問がタブーとなっている。そもそも労働は、法律を遵守したうえで金銭と労働力を取引する契約である。対話から契約を作り上げていき、双方が承認したところで契約が成立する。この対話のため、これらの内容は必要になってくるはずだが…。

 

理想的な選考プロセス

 就活だけとってみても日本人は非効率であり、合理性を全く考えようともせずただ過去の人がやっていたからと無条件に妄信することしか能のない民族であることがわかった。よく「若者は甘えている」といわれるが、こっちの方がよっぽど「甘え」だよ。まあ、己の能のなさと変革するだけの勇気のなさを、適当にそれらしい理由をつけてカモフラージュしようとするところは褒められたことではないが評価するよ。しかし、これではせっかく導入した技術を最大限活用することができない。そこで、以下の選考プロセスを提案する。このぐらいなら実現できるだろう?まあ効率化・IT化アレルギーのある老いぼれ日本猿どもには難しすぎるかもしれないが、せいぜい努力したまえ。

(1)情報サイトで、あらかじめ履歴書やエントリーシートを作成しておく。志望動機以外はそのままオンラインもしくはPC上に保存したデータから呼び出しができる。なお、差別の原因となるので、性別や年齢(およびそれがわかる日付)、顔写真は記載しない。*1また、必要ならば卒業見込証明書などの書類もアップロードしておく。

(2)応募時は、(1)を情報サイトを通じて企業側に送信。企業側はそれで書類選考。

(3)能力試験は、実技以外は情報サイトか、どうしても不可能ならば他のサイトで受験。

(4)面接は、最終面接・実技試験(これも、回数を制限すべきである)以外は電話もしくはSkypeで。

(5)最終面接では、勤務に当たっての条件を話し合う。なお、差別防止のため、パーテーション越しに話し合う。また、年齢や性別及びそのヒントとなる情報は聞かない。*2

 

*1:特定の年齢や性別でないと勤務が不可能である場合は、情報サイト上でその制限を設定すればよい。

*2:こうでもしないとどうにかしてでも差別しようとするので。