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日本批判への拒絶反応~Amazonレビューより~

 日本を批判すると、それがどんな内容であっても反日売国奴だと難癖をつける輩がいる。ここでは、そんな輩の拒絶反応を、Amazonで販売されているある書籍のレビューを引用して考えてみたい。

 

 

拒絶反応の分類

 インターネット上では日本を批判すると、批判内容の5W1H*1*2に依存せず反日売国奴だ、主語がでかい*3、挙句の果てには被害妄想から始まる問題提起者への誹謗中傷やや現実逃避、無関係な話題(中国韓国の誹謗中傷など)で話を逸らすといった奇行が見られる。*4

 このような奇怪な生物の生息数や割合はサイトによって異なるが、インターネット上あらゆるところに生息しており、Amazonも例外ではない。例えば、響堂雪乃氏が記した書籍に「ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ」というものがあるが、そのレビューをみてみよう。

ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ

ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ

 

 比較的評価は高い(2019/03/04時点で平均☆4.0/5)。しかし☆1つのレビューは一定数ある。ヤフコメや2ちゃんねる掲示板よりかは穏やかな論調ではあるが、バカウヨどもがよく使う論法が多くみられる。

  • 被害妄想(自分の都合が悪いことが書かれていれば内容を吟味せずに誹謗中傷ととらえる):「日本のことを『ニホン』と書く理由は日本を貶めたいという意図だと思います」「日本の印象を下げることに関して都合良く書かれています」
  • 現実逃避(文字通り、批判されている事柄から目を背ける):「世界中どこへ行っても不満はあります。日本は世界でもまだマシな国です」
  • 論点すり替え(無関係な単語を並べて揚げ足を取る):「あなたに未来がない!!」「あなたのその苦痛なタイトルこそが誰も救わないでしょう」

 もちろん、これらの誹謗中傷は書籍の内容を確認もせずにただ表面上の言葉だけから論理を飛躍させていると思われるものも一定数存在する。*5こいつらがいつも火病(ファビョる)と誹謗中傷している韓国人と目糞鼻糞というかなんというか。

 

「生理的に受け入れられない」?

 こちらも、同じ書籍のレビューに考察の助けとなるであろうキーワードがあった。上述の低評価レビューを残す者たちのことを気にかけて行った実験の結果を示す日記である。

もう一冊購入して自分と同じ中年域のサラリーマン数人に順に読ませてみた。結果は恐ろしい程な迄に散々なものであった。正しくは、誰一人として最後まで読まずに返却してくる者ばかり、理由を問えば「とにかくムカつくんだよ」「こんなこと知りたくないし、デマを信じてはならない」そして極めつけは「頭が悪いから何が書いてあるのかさっぱりわからない」遂には「反日etc.約2000年に渡る、ナチス・ドイツ政権ですら羨ましがった「日本型原ファシズム(ウル・ファシズム)」の成れの果てか?「知性の劣化」をも超えた状況下にあるのだな、と実感中。
近年希にみる優れた社会論文を多くの日本人に読み易く噛み砕いた様に教えてくれる本書についてさえも、上に示した中年世代は認知的不協和を起こし、時に激昂する。

 ここで上げた反応も分類することができる。

  • 「とにかくムカつく」「反日」→被害妄想
  • 「こんなこと知りたくない」「頭が悪いから何が書いてあるのかさっぱりわからない」→現実逃避

 さらに、カテゴリーごとに並んだ2者は前者と後者でそれぞれ分類することもでき、前者は「本音」、後者は「防衛本能」であるといえる。前者は激高した結果論理や理屈など全く考えられなず己の感情を吐露することしかできない状態になってしまったというわけである。今まで苦しんでたら自分より幸福な人間を見ると妬ましい。従って今の自分及び環境が最高だと理屈抜きで思い込む。で、それを否定されるものだからムカつくということだ。一方で後者はそれに近い状態であるといえよう。今の状況の分析や苦しい局面から抜け出すすべの考案や実行を碌にせず、ネットサーフィンしながら他者を甘えだなんだと非難し自分のことは棚に上げ、結果年とプライドだけ大きくなったものだから本音を出すとあるだけ邪魔な割にはやたらと大事に持ちたがるそのプライドが崩れてしまう。だからこちらも理屈や正当性などお構いなく適当に攻撃的な言葉を言ったり、現実逃避して相手を根負けさせて批判をやめさせようとする作戦だろう(相手が批判をやめるのは、そうやってやり過ごそうとしている人間の程度がわかったからだが)。

 両方に共通しているのは「生理的に受け入れられない」ということである。自分の生きている意味を理路整然と説明できる人間は少ないであろう。説明できないのだから理屈など思いつかない。苦しんでいることを無理やり正当化している人間にとってはなおさらだ。従って今までの状況を否定するようなことを言ってしまえば今まで正当化してきた努力や、下手すると生きてきた意味の否定になる。よってどうしても、つまり生理的に受け入れることができないのである。

 

ただまあ現実ですから

 以上、私の思考の及ぶ範囲で拒絶反応を考察した。ただし!同情はしない。批判されている日本の問題を吟味もせず、それが現実だとしても碌に受け入れず激高するのはいかがなものか。巷にあふれる愛国ポルノを見て、中国が悪い韓国が悪いといってオナニーするのはさぞ気持ちいいだろう。が!それでは問題から目を逸らしているだけで問題そのものは解決していない。何の生産性もない。当然それによる被害は回避できない。本気で日本を愛しているのであれば悪いものの原因を取り除くためそれを究明するのは重要であろう。思考停止して一点張りをするのではなく、普段見ていなかった場所にも原因があるとは考えられないのか?

 一応言っておくが、問題を解決できていないのは、つまり君が苦しいのは君が原因の究明や自分が助かる方法を考えもせずただ責任転嫁と抑圧移譲しかしてこなかった君の責任だ。そっくりそのまま君が常日頃言っていることを返すが。もし幸せになりたければそのちんけなプライドを捨てて努力したまえ。

*1:Wのうちの2つ、WhatとWhichは似て非なるものであることを指摘しておく。ただし無関係ではなく、前者は問題点の存在するカテゴリーの絞り込み、後者はその中での問題点の指摘に対応し、前者と後者は問題提起のプロセスにおいて時系列に並んでいる。

*2:H(How,どのように)は証拠やデータなどによる裏付けを用いた論述のプロセスのことである。

*3:批判対象が広すぎて何を批判しているか不明瞭、とでも言いたいのだろうか?

*4:一方で、5W1Hを同じにして日本を称賛すればこいつらは黙る。主語が同じでも「主語がでかい」とは言わない。あら、不思議。

*5:未購入者は「Amazonで購入」の表示がない。