続・教育の理想的な在り方(小中高)
先日、初等・中等教育における教育の理想的な形態を記した。
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そこで、ここでは、これの続きとしていくつか取り入れるべきと思われることがあったので追記する。
制服はすべて廃止
学校は勉強するところだ。服装が勉強の効率に影響するというのだろうか。確かに、真冬の中肌を大きく露出した服装であれば寒いし、真夏にダウンジャケットを着ていれば熱く、勉強は手につかない。しかし、このような温度調整は制服でなくとも適切に選択すれば可能である。むしろ、制服自体に以下のようなルールがあると、温度調整ができず逆に不快感を催す。
・ストッキング、セーター等使用禁止
・詰襟の学生服を着用
以上にある、詰襟の学生服は、一部を除き最上部のホックまで閉めるよう指導される。これは締め付けられるようで苦しくなる(ワイシャツの第1ボタンやネクタイなども同様)。このように、学生服にも温度調整や着用感の問題があるものがある。よって、学生服にしたからといってこれらの問題が解決するわけではない。
したがって、制服自体を廃止し、生徒個人に着用するものを選ばせればよい。確かに、これだと秩序が乱れる、という意見があるだろう。そこで、最低限のルールとして、「公然わいせつにならないもの」「性別、年齢、性的指向、人種国籍、障害などをネタに差別を煽るもの」でなければよい、としよう。
「制服が着たいんだ」という人は自由にすればよい。これに対応する方策としては、個人でなんちゃって制服*1を購入し着用してもらう、あるいは学校が独自にデザインを公表し、製作販売を従来通りの制服販売店に委託し、それを購入すればよい。*2
なお、学生ではない人が制服の必要性を訴えても対応はしない。よこしまな考えがあることは明白だからだ。
規則は最低限に、合理性のあるものを
確かに、法律で殺人を禁止しているように、一部の規則は重要性があるであろう。しかし、学校の校則は有用性をおざなりにしてただ生徒を拘束するだけにあるか、目的自体があいまいになっているといっても過言でないものが存在する。例えば、成長期児童の頭皮に悪影響があるために染髪を禁止していたことが拡大解釈され、地毛が黒色ではない学生の頭髪を黒く染めさせた事例がある。またこの記事で
「ほとんどの場合、先生たちは『なぜ髪を黒色にしないといけないか』という理由をきちんと伝えています」→事実の誤認もしくは認識不足
「先生も学生の頃は、きちんと学校のルールを守って黒髪だったわけです。そして、大人になれば自分の常識の範囲内でやることになっていくわけですから、その常識を身に付けるためにも子どもたちは今、学んでいるわけです」→昔の悪習を再生産しようとしている、あるいは自身の抑圧経験を押し付けている
(これも、染髪を例にしているが、適宜ほかの規則に当てはめて考えよ)
規則の意義や制定しないことによって生徒へおこる不利益を十分説明できないあたり、それは拘束することだけが目的となっているわけである。
このため、すべての規則をいったん廃止し、最低限だけにすべきであろう。例えば
「人の権利を阻害しない」
「差別をしない」
でよいだろう。
確かに、やむを得ない必要性に迫られ、新たな規則の制定が必要になることもあるだろう。この時は次のように対応すればよい。まず、その必要性について誰かが発案し、それを書面や掲示にて提案の上、全校集会へもっていく。全校集会では発案者がその内容と意義や理由をプレゼンする。もちろん、その理由は生徒に対し十分合理的で利益のあるものでなければならず、ただ「社会の常識だから」「みんなやっているから」「昔からそうだから」「社会に出ていくにあたり学ぶ必要があるから」など、抽象的すぎて確実な利益が確保できるとは言えないものは不可である。また、このプレゼンの時間は理由の説明ができるよう十分にとるが、生徒がそれに対し疑問や嫌疑を持った場合十分に質問ができるような時間配分にする必要がある。もちろん、生徒がした質問に対し、発案者の回答が不十分である場合は続けて質問をすることができる。このプロセスを経て、最後に投票をして成立可否を決める。*4もちろん、発案者(教員の可能性が大きい)有利にならない配慮が必要である。例えば、教員に多数票を持たせておけば、生徒が全員反対しても教員の賛成で可決の強行がされることがある。したがって、全員1票ずつか、生徒に多くの票を持たせる必要がある。
また、一度できた規則であっても、その変更や削除もできるものとする。これは、同様に発案を行い議会にかけ、同様のプロセスを経て行われる。
生徒と教師は対等に
生徒と教員の関係は、知識や技術を購入する購買契約でしかない。したがって、そこに何らかの上下関係は必要ないし、あると邪魔である。なぜなら、上下関係を作ってしまうと、言いたいことも言えずただ従わせるだけになってしまい、学校が刑務所同然となるためである。したがって、生徒・教員の関係には購買契約以外の関係を持たせてはならず、それ以外はすべて対等である必要がある。
一人でできることをわざわざ集団でやらせない
学校ななぜかなんでも複数人でやらせたがる。一人でやった方がよいことですらわざわざペアを組んでやらせ、思春期の生徒に苦痛を与え、作業の効率を下げ、そして人間関係を険悪にする。
こんなことになるくらいなら、集団を組ませること自体無意味である。必要ならば生徒同士で自主的に組ませればよいし、一人の方が効率が良いならば一人でやらせればよい。また、わざわざ学校に縛り付けておく必要もなく、好きなところでやらせればよい。*5
結論
結局学校は知識や技術を学ぶところであり、わざわざ生徒を縛り付ける必要はない。
*1:従来の制服に似たデザインの衣服。コスプレ衣装制作業者が発売している安価なもの(中にはバイクのカバーと同じような素材でできた、明らかに低クォリティなものもある)から、制服販売店が余った材料で作る本格的なものまである(例:カンコー学生服→Sweet Teen)。
*2:前の記事に基づけば、名称自体は「制服」でなく「〇〇学校標準服」(なんちゃって制服は「学生向け高級フォーマル」などか)といった名称になるであろう。すなわち、他校が発案した衣服も規則に拘束されずに自由に着用可能となる。
*3:もちろん、問題のある法律に対しては積極的に反対の声を上げる必要があることを教えるべきである。
*4:なお、全校集会への生徒の出席が8割を下回った場合、議会不成立として、規則案も否決とする。
*5:授業はICTや外部施設を用いれば可能となる。前の記事参照。