日本社会の疑問を考えるブログ

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イタリア留学記(前編)

 前回の記事では、事前準備だけで書くことがありすぎて、余裕で4,000文字を超えてしまった。そこで、今回は日本出発~現地到着までを書いていきたい。

序:事前準備

前編:日本出発~イタリア到着(この記事)

中編:イタリアでの活動

後編:イタリア~帰国 

まとめ

 

 

成田空港にて

 出発は11時過ぎだったのだが、チェックインには締め切り時間があり、かつ航空券に集合09:00とあったので、08:30に成田空港駅に到着した。まずは円をユーロに両替するのだが、レートを調べて安くユーロに変えられそうなものを選んだ。どうやら成田空港直営の両替窓口がレートが安く駅より近いようなので、それにした。

外貨両替の料金の傾向

空港以外の大手銀行で外貨預金&引き出し(事前)≒空港直営の窓口<空港設置の銀行<駅設置の窓口

ただし、空港で両替できるのは紙幣⇔紙幣のみ。硬貨の取り扱いはない。

  

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成田空港・南ウイング出発ロビー。事前に調べた情報では、イタリアに直行する航空会社はアリタリア航空だけとのことであったが、普通に全日空の直行便があった(NH6670便)うえ、留学直後に全日空が東京・ミラノ線を就航するのこと。

 まず受託手荷物を預けるのであるが、利用するフライトが全日空、ヴァージンオーストラリア、フィジーエアウェイズとのコードシェア便だったため、この時点で大行列ができていて、預け入れが完了するまで約30分かかった。ちなみに、ビジネスクラス・ファーストクラス・スイートクラス*1利用者の優先列もあったが、ほとんどが欧米系の人で、円安傾向であることを感じた。

  出国手続きの前に保安検査を受けるのであるが、大学との連絡のため持参したノートパソコンはカバンから出すこと、さらにジャケットも脱いで検査する必要があるそう。全てX線検査に預けて金属探知機を通ったのだが、なぜかそれが反応した。どうやら現地の防寒対策として履いていた靴の金具が原因のようだ(実際、空港スタッフがX線検査に通すため私の靴をもって金属探知機を通ったときに反応していた)。初めてボディーチェックを受け、再度金属探知機を通ることになった。

保安検査を受ける際の注意

・電子機器類はすべてカバンから出す

・ジャケットや体に巻き付けるカバン、金具がついた靴はすべて脱ぐ。アクセサリー含め金属製品はすべて外す

・飲み物を持って保安検査は通れない。飲み物は全て検査を終えてから買う。

これを怠ると、異性のスタッフに体を触られる可能性がある。

 

 出国手続き後、大学とのやり取りをしていたが、うっかり搭乗口が遠方にあることを忘れていた。そんな中搭乗便の最終案内がなされたので、走った。飛行機に乗るだけで汗をかくとは思いもよらなかった。

空港での過ごし方

・出発2.5時間(海外では3-4時間)前までには空港に到着する(次いで、荷物預け入れカウンターの位置も確認)

・出発2時間前までには手荷物預け入れ

・出発90分前までには保安検査&出国手続き完了

・出発60分前には自分が乗る飛行機の搭乗口が見える位置にいること(案内を見て、搭乗口が正しいことも確認すること)

・もし、これより厳しい規定がある航空会社を利用するときは、そちらに従う

新幹線と違い、走って出発時刻に乗れればいいというわけではない。出発時刻より数十分前に搭乗口は閉鎖されるし、それより前に手荷物や保安検査が締め切られる。

 

成田~シンガポール

 シンガポール航空・SQ637便を利用した。機内に乗った瞬間から英語が飛んできたが、特に何の問題もなかった。

 水平飛行になるとウェルカムドリンクと機内食が配られた。参考書でおなじみの"Chicken or fish?" "Fish, please"が来ると思いきや、鶏肉料理は人気で"Sorry, chicken isn't availlable"となり、結局魚料理となった。だがこれが意外とおいしい。

機内食・ドリンク

・アレルギーや宗教、思想により食べられないものがあるときは、遠慮なく航空会社や客室乗務員に問い合わせよう。有名なもの(ムスリムヴィーガン)ならオンラインチェックインのとき無料でそれに対応した機内食にできる。

・飲み物が配られるとき、"What kind of drinks do you have?"と聞いてみよう。いろいろある。

 

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誤字発見

 隣の座席にいたオーストラリア人は非常に親切な方で、私が機内エンターテイメント機器のコントローラーのしまい方*2がわからなかったとき、またオレンジジュースをこぼしてしまったとき親身になって助けてくれた。この場を借りて感謝申し上げる。また、シンガポール到着直前、こんな雑談をした。

(全て和訳しています)

オーストラリア人(以下「オ」)「君はどこから来たの?」

「日本からです。あなたは?」

「オーストラリアのパースからよ。あなたはどこへ行くの?」

「初めての海外渡航で、イタリアへ2週間留学へ行きます」

「日本のどちらへ行かれていたのですか?」

ニセコにスキーへ行ってたの。ところであなたはどこへ行くの?」

ニセコでのスキー旅行、とても楽しかったでしょう。日本はほかにもいろいろな素晴らしいところがあります。ぜひ来年もいらしてください。それと、あなたの残りの旅が安全に楽しく過ごせることを願っています」

「ありがとう。あなたも初めての海外渡航、よく来たね」

 

  余談だが、機長がなんか言った直後、機体が急降下した。何があったのだろう。

 

シンガポール・チャンギ国際空港にて

 トランジット所要時間は約6時間と、事前に調べておいたことでは観光ができそうであったのだが、初めての渡航ということもあり、トランジットエリア内で過ごすことにした。まず、6時間のフライトということもあり、降りてすぐのロビーで休むだけで1時間過ぎた。

 

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シンガポール・チャンギ国際空港に駐機中のルフトハンザドイツ航空の機体

 この空港はとても広い。移動に新交通システム・Skytrainを利用するほどだ。簡単に夕食を済ませ、事前に調べたプールへ行った。飛行機がひっきりなしに離着陸するため、風が強く肌寒かった(プールの中の方が温かい)。約3時間ほど浸かり、次のフライトへ。もちろん移動はSkytrainで。

 

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鯉のいけす

Skytrain

各ターミナル間(同一ターミナルでも、距離が大きい場合はある)での移動手段。利用は無料。ただし、稼働していない時間がある(飛行機があるうちは大丈夫だが)。

 

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チャンギ国際空港のプール(第1ターミナル)

チャンギ空港のプールほか

タオル+プール+シャワー利用で17シンガポールドル。隣接のジムを利用すると少し高くなる。これ以外の買い物とかも考えると、現金だけ持って行って現地で両替するより、デビット(クレジット)カードを持っておくのがよい。どのサービスもカードに対応している。

 

 のどが渇いたので飲料水を数本買ったが、保安検査で未開封にもかかわらず持ち込み不可とのことで没収された。というわけで検査後再度買いなおし。また、今回は靴は脱ぐよう指示された。

 

 荷物を整理していると、荷物控えがなくなっていることに気づいた。それに、空港発表の搭乗時間になっているのに「搭乗準備中」となって乗れない。予定では最終案内となった時やっと搭乗が開始され、行列を作って乗ることができた。

 

シンガポール~ミラノ

 同一航空会社・SQ356便を利用した。0時近くの出発だったが、1時くらいで機内食が配膳された。この後ほとんど眠れなかった。

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SQ356便・エコノミークラスの機内食

 しかし、なぜか原因不明の腹痛に襲われた。2回目の機内食を食べると、なぜか治った。空腹による胃の痛みか。

 

ミラノ・マルペンサ空港にて

 到着が朝の5時半であった。搭乗口を稼働させる職員がいなかったからか、階段を添えて降り、バスで空港内へ移動した。30分ほどたって荷物を受け取ったが、荷物控えがなくても問題なく受け取ることができた。

 

 このあと入国審査を受ける。日本の旅券自体にICチップが内蔵されているので自動ゲートで写真撮影をするのだが、うまく写真が取れず開かない。おまけに後ろのゲートが閉まって閉じ込められてしまった。係員に助けを求めると、メガネを外せとのことで、そうすると何事もなく開いた。

受託手荷物の管理

荷物控えは持っておくと便利だが、なくてもどうにかなる(渡してもらえないなら、中身を説明するなどし自分のものであると立証する対応を)。国際線だと自分の荷物がしばらく出てこないことがあるが、気長に1時間くらい待ってみよう。

あとは、よく似た外観の荷物と取り違えないようにするため、目印をつけておこう。スーツケースベルトにカバーといったものや、リボンをつけておくだけでも区別がしやすい。

 

入国審査ゲートの写真撮影

日本の旅券はICチップ内蔵のため、各国で自動ゲートが使用可能。ただし、以下のようなものをつけていると写真撮影ができず通れないことがあるので、外すこと。

ブルーライトカット(レンズが薄青色になっている)のメガネ

・サングラス

・マスク

・帽子

 

 イタリアは日の出が8時と遅く、バスの切符売り場が開かないため、カフェで朝食を済ませ、ミラノ中央駅に向けて出発。

マルペンサ空港での過ごし方

・到着ロビーにカフェ、3階にマクドナルドがある

自動販売機:紙幣使用不可

・シャワーなど、それ以外のものはない

 

マルペンサ空港・ミラノ中心部間の交通

・バス(Airport Bus Expressなど):最安&荷物トランクあり。往復チケットは使用日を限定しない。ただし、帰り空港へ向かう際は、目的の空港へ行くか聞いておくこと。第1ターミナルが始終点。

・電車(Malpensa Express):バスよりかは高いが、ミラノ中央駅からいけるのはマルペンサ空港のみで間違わない。地下から出発。こちらは第2ターミナルが始終点。ミラノ中央駅とカドルナ駅に行くものが交互に出ているので間違えないように。また、列車によって微妙に停車駅が異なる(カドルナ行は最速)。当日切符を買った場合は、改札を忘れずに。忘れると高額の罰金が科される。*3

・タクシー:たくさんの人が勧誘してくるが、使わないこと。高いので。

 

ターミナルを間違えたときは、連絡シャトルバスを使うとよい。

 

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マルペンサ空港到着ロビー。出発ロビーと異なり、ほとんど何もない。

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マルペンサ空港の朝

 

ミラノ中心部にて

 ミラノ中央駅に着いたのは10時ごろ。しかしホテルはチェックイン開始が14時とどうすることもできない。仕方ないのでスーツケースのみ預け入れた。とりあえず地下鉄を使って散歩した。

 ドゥオーモ前を適当に歩いていたら、何やら知らない人にミサンガを巻かれ、150ユーロを払わされた。気になって調べてみると出るわ出るわ…

  さすがに懲りたので、もう一人笑顔で近づいてきた人と、それ以外の場所で声をかけてきた人へは「あーはいはいのーさんきゅー」といって相手にしないようにした。

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Yahooで検索してみた

 

荷物について

スーツケースはもちろんのこと、大きいリュックも駅の手荷物預かりや、ホテルに交渉して置いておいてもらおう。とにかく観光客と思われない工夫が必要。おすすめはウエストポーチに財布と携帯電話だけ入れ、服の下に隠しておき、ダミーの財布をポケットにしまうこと。

 

ミラノのミサンガ売り

ミラノ中央駅や各観光地周辺には、ミサンガ売りがいる。片手に何かを大量に持ち歩いている人は怪しいと思おう。特に、笑顔でこちらに近づいてくる人、しつこく話しかけてくる人は全て敵と考えよう。もし、こちらに渡そうとしてきたら、"No thank you"といい、振り払おう。あまりにひどいなら大声で助けを呼ぶ("Aiuto!", "Smettila!")。

駅や空港内はそうでもないが、駅の周辺や地下鉄、観光地周辺は武装地帯と考えてよい。非武装地帯は、有料の施設内(博物館など)と、ホテル(個室に限る)、特急列車および高速バスだけ。

 

 この後、レオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館などを見学し、ホテルへ。飛行機でほとんど寝なかったためか、昼食も夕食もなしで翌朝まで熟睡した。翌日は観光する気もなかったので、チェックアウト終了直前に出て、ミラノ中央駅へと向かった。

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ミラノ地下鉄3号線

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イタリア証券取引所(主要指数:FTSE MIB)

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Ernst&Youngのオフィス

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ジュークボックス。押した2種類のスイッチの組み合わせで、下の紙に対応した素粒子の説明が表示され、発見当時人気の曲を聴ける。ちなみにイタリア語がわからないのでこれは何と書いてあるかわからないが、おそらく真空管内で電子を蛍光板に当てると光る、とでも書いてあるのだろう。

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チーグラー・ナッタ触媒を用いて合成されたポリプロピレンの構造模型

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国立労働銀行。昔は文字通り国営だったが、現在はBNPパリバの子会社だそう。

 

ミラノからトレント

 ミラノ中央駅からTrenitaliaの特急・Frecciarossaを利用し、Verona Porta Nuova駅に向かった。この駅で、特急Frecciargentoを用い、トレントへ向かった。

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「線路を渡るな!」と書いてある。どうやら鉄道職員ですら渡ってしまうことがあるという。

Trenitaliaの列車に乗る際の注意

・ホームが低いため、大容量スーツケースは持ち上げて載せる形になる。一番細い面をドアと平行にし、下をもって持ち上げ、列車の床に乗せて押す。難しいならほかの客や鉄道職員に手伝ってもらおう。

・事前予約者と特急利用者(チケットに利用日時と列車・座席が書いてある)以外は改札が必要。打刻機の電源が入っていない、故障している場合は職員を呼ぼう。

・TrenitaliaとItaloの相互利用はできない。後者は本数が少ない(例えば、私が行ったトレントボルツァーノ方面は1日1往復のみ)ため、Trenitaliaの利用がよい。

・一番安い座席(Standard)以外は食堂車の利用ができる。ウェルカムドリンクもある。しかし、巨大駅のラウンジは最上等座席利用者しか利用できない。

*1:シンガポール航空に存在する、ファーストクラスより上の最上等クラス。片道200万円程するそう。

*2:座席に画面とコントローラーがあり、コントローラーは引っ張るとコードが伸びてくる。が、離陸直前のため客室乗務員に「コントローラーをしまってください」と言われたがしまい方がわからなかった。

*3:インターネットで予約したe-チケットの場合は改札不要だが、予約した列車より90分以上後の列車は使用できない(=予約列車から90分経つと無効)。