都知事選の変な候補者
本日、もし私が都知事選投票できるとしたらだれに投票したいか述べた。しかし逆に、この人は避けたいと思う人も数人いる。そこで、ここでは投票したくない人を述べていく。
桜井誠 氏
日本第一党という政党をご存じだろうか?
排外・外国人差別・外国人に対する福祉の打ち切りなど、過度に自国民を優遇し在日外国人を敵視・冷遇しようとする政策の政党であり、桜井氏はそのトップである。
街に繰り出しては演説の名を借りたヘイトスピーチを繰り返しており、「日本共産党・社民党は北朝鮮の仲間」などと真っ赤な嘘をバラまいたり、外国人に対し根も葉もない因縁をつけている。実際私の場合、上海交通大学*1より留学生をエスコートした際、この日本第一党のヘイトスピーチに遭遇し、留学生が大変悲しい顔をしていたのは今でも鮮明に覚えている。
ちなみにこれに関連し、本人はこうTwitterで発言している。
差別?排外主義?冗談じゃない!ここは日本です!日本人の生活、安全、権利を守りましょう!
これからはジャパン・ファーストです!
日本国民の味方となって戦ってくれるのが日本第一党です!
「ここは日本だから」とはネトウヨをはじめとした差別主義者がよく言うフレーズである。「ここは日本だから外国人の差別は致し方ない」「それは差別でなく区別だ」などと言い逃れするために用いられている。
ここで差別の定義を確認しよう。
性別・年齢・国籍・出身国・人種・障害の有無と種類・性的指向など、本人が変えようのないことを理由に本人に不利益な取り扱いをすること。また、その存在や重要性を考慮しないか、意図的に差をつけること
従って、外国人だろうが福祉を打ち切ることや差別的な発言をすることはすべて差別なのである。なお、こういうと「日本人差別だ」などと反論される方が言うので答えておくが、外国人への対応水準を引き上げるだけなので日本人を無視するわけではない。
ちなみに、差別により多様性は失われる。多様性が失われるとなんらかの危機に直面した際一気にそのコミュニティごと絶滅すると考えられる。*2これを防ぐためには多様性を確保しておく必要がある(もちろん、「多様性を認めない」のは多様性に含まない)。すなわち、多様性を阻害する原因の差別をしている者は誰に対してであれ(一見味方になっているように見えても)敵なのである。
とりあえず最後に一言。
平塚正幸 氏
このようなことをおっしゃっている。
・コロナ騒動を作ったのはメディアと政府
・コロナは単なる風邪
・自粛、マスク、ソーシャルディスタンスの確保などはいらない
たしかに過度にメディアが騒ぎすぎたため、「自粛警察」とよばれる自警団が現れ、自粛しない人たちを攻撃しだしたのは記憶に新しい。
ただし、だからといって予防のためのマスクやソーシャルディスタンスの確保などを黙殺して経済に偏重するのはよくない。なぜならコロナウィルス感染症は単なる風邪ではないからだ。
人が死んでんねんで。
単なる風邪*3なら会社や学校を休み、市販されている薬(医師の処方箋が必要ないものでもよい)でも飲んで、栄養豊富なものを食べて暖かくして寝ておけば治る。しかしコロナウィルス感染症はそうでもない。病院が保有する高度な薬剤を使用した対症療法しかできず、ワクチンも開発されていない。その中で1000万人以上が感染し、50万人以上が亡くなっている(執筆時点)。この状況を無視して感染収束及び今後の予防をせず、経済活動に偏重することはさらなるパンデミックを招く。
立花孝志 氏
数年前から「NHKをぶっ壊す!!!」というインパクトのあるキャッチフレーズで話題を呼んだ人である。活動のきっかけとしては、自身がNHKの不正経理を内部告発したことが逆目に出て*4自身に嫌疑がかけられ職場を追われたことだそうで、そこについては同情の余地はある。
しかしながら、だからといって無関係な人に対しスラップ訴訟*5など脅迫行為や嫌がらせを働いたり、詐欺の可能性があること*6を行ってよいわけがない。
また、公約の一部として肥大化したNHKをスリム化し、受信料の減額をさせる、視聴拒否の自由を担保させる*7などは問題ない。しかし、それだけというのは問題である。こういう政党を"one issue"といい、達成した後何もできず税金が無駄になるばかりか、唯一の政策すらも達成できない可能性がある。現に、「NHK解体を達成した後は知らね」という旨の発言をしているし、今回も「ホリエモン新党」などとNHKとは無関係なことを言い出した。
政治って何のためにあるんだろう?
政治は、自国*8に来る、あるいは在住するあらゆる人が快適に生きれるようにするものだ。従って国の中で対立構造や差別・搾取構造を作るものでもなく、結果的にそうなってもならない。しかしながらここで挙げた人たちは差別を煽ったり過度に経済に偏重して市民などの生活を考えない、ただのパフォーマンスでしかない人ばかりである。こんな人に都知事を任せてよいのだろうか?よくないに決まっている。
*2:「多様性を認めないという価値観を多様性として受け容れろ。」と言っている人がいました。誰か、論破してくれませんか?-Quora
*3:「風邪」とは、軽度の症状の総称であり、病名が限定されないため専門の薬剤は存在しない。従って対症療法となるが、実際それで完治している。また今回の場合は病原菌が特定されているがそれを回復させる専門の薬剤は存在しない点で異なる。
*4:ハラスメント相談窓口など、内部告発の窓口は色々あるが、日本の組織では機能していない。専門性のない人が担当していたり、相談員や審議委員が当事者(加害者)だったり、情報共有と称して守秘義務を守らないなど、実質反乱分子あぶり出しのための部署と化している。
*5:有力者が自身に不利な言論を封殺するため、名誉棄損や業務妨害で裁判を起こすこと。相手は法的知識に欠ける場合が多く名誉棄損や業務妨害に当たらないことの立証が難しいこと、また有力者側は実力の高い弁護士をつけるため、事実上言論弾圧につながっている(幸い立花孝志氏の場合は立花氏側の敗訴となったが…)。
*6:N国・立花党首「ひとり放送局」に詐欺行為の疑い | 文春オンライン
*7:それに類する法律はあるものの、「受信のため以外に設置したテレビ(テレビゲームのためだけに使うものなど)はよいのか」などについては明確な言及がされていないが、不文律としていかなる場合でも受信料支払いを強制されている。よく似た制度がある国としてイギリス(テレビ購入時にBBCの契約が必要)があるが、こちらは毎年BBC解体を問う投票が行われており、また国にすり寄ったり時刻を礼賛したりする番組はほとんど見られない。
*8:なんで国境を引いて国を分けないといけないんだろう…?