日本社会の疑問を考えるブログ

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廃線してほしくないなら普段から乗れば?

 日本人は、廃線の危機に瀕している路線には普段は見向きもしないくせに廃線になることが決定すると寂しいだの残せだの騒ぎだす。ここでは、日本人のそんな行動を批判したい。

 

 

北海道のある路線での出来事

 2019年3月末にJR北海道は夕張支線を廃線とすることを決定した。そんな中、例によって寂しいだの残せだのということだろうか、この路線が異例の賑わいを見せている。
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  こういったイナゴの群れはかなり前の小説でも言及され、いつどこでもいることを表している。

(近々廃線になる路線の列車と観光特急が並走している)

 美寄駅のホームを出ると、幌舞行きの単線は町並を抜けるまでのしばらくの間、本線と並走する。

ガラス張りのリゾート特急が、一両だけのキハ12型気動車を、ゆっくりと眺め過ごすように追い抜いて行く。

 ダイヤのいたずらか、それとも都会のスキーヤーのために用意された演出なのか、特急の車窓には乗客が鈴なりになっていて、朱い旧国鉄色の単行ジーゼルを見物している。やがて幌舞線が左に大きくカーブを切る分岐まで来ると、特急の広いガラス越しにはいくつものフラッシュが焚かれるのだった。

(出典:「鉄道員浅田次郎 著)

鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)

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 普段はそんな路線など見向きもしないくせに、一番列車(もしくは開業当日の列車)と廃線が決定した後、特に運行最終日の列車もしくは最終列車(さよなら運転)にわんさかと群がる。そんで言うことは「なくなるなんて寂しい」「なくさないで」と口をそろえて言う。

 

鉄道会社は営利企業なんだから

 あのさ。君たちはお構いなしかもしれないが、鉄道会社は営利企業だ。これは東京メトロや大阪高速電気軌道*1のように、自治体や政府が出資している*2場合も、東京都交通局のように、自治体直営の場合も変わらない。従って出資額や運賃収入といった収入と、資材費や人件費といった支出のバランスで経営に対する影響が決まる。結果的に廃止した方が維持するよりも損が少ないとわかった場合は廃止する。これが市場原理そのものだ。だから、そもそも廃した方が損の少ない路線に対し残せだの言うのは会社に対する営業妨害に近い。そもそも廃止することになった原因は、確かに経営者側の問題もあるが、普段は見向きもせず、まったく金を払わなかった君たち消費者も原因というわけ。*3

 話は変わるが、今の日本が社畜運搬通勤電車と高速列車、富裕層向けクルーズトレインだけになったのもそこらへんが原因だ。

 

残してほしいなら乗れよ

 さて、残してほしいとかいう馬鹿どもに言っておく。残してほしいならば廃止が決定する前に言え。そんで残せるよう行動しろ。ただ、叫ぶだけでは無駄だ。具体的にはそういう会社に出資する、あるいは何度も乗ることで収入を上げることが挙げられる。一人だと廃止を食い止められるわけがない、という方がいるだろう。そんな時こそ無駄話に使っているSNSを使うのだ。そこで不特定多数に出資や乗車を呼びかければその路線の収入は大きくなり、利益が操業停止水準に到達するのを食い止めることができるだろう。ホラ、指くわえてないで早く。

*1:それぞれ、旧・帝都高速度交通営団(営団地下鉄)および大阪市交通局

*2:東京メトロの場合、日本政府と東京都が出資しており、大阪高速電気軌道の場合は大阪市が出資。

*3:奴隷どもは、就職予定の学生や労働者に責任を転嫁することがあるが、学生は経営にかかわっておらず、労働者は経営者の指示で動いている以上的外れであることを指摘しておく。