先日、佐野サービスエリア上り線(ケイセイフーズ)のストライキについて取り上げた。ストライキが敢行された際、必ず出てくるのはストライキは悪と考える人たちだ。そこで、これは彼らの思考についてとりあげ、それらを批判したい。
そもそもストライキって?
以下に示された憲法及び労働基準法によって保障された権利のうちである。
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
ここで、労働基本権を保証しており、内訳は団結権、団体交渉権、団体行動権である。公権力や経営者によりこれら権利が制限されず、場合によってはストライキといった団体争議を行うことが出来る。
労働組合法(趣旨を変えない範囲で加筆修正あり)
第1条:労働者が使用者と対等の立場で交渉できることを促進することによる労働者の地位向上、労働者が労働条件の交渉をするため労働組合を組織し団結することを擁護し、労使関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすることとその手続を助成することを目的とする。
第7条:使用者は、次に掲げる行為をしてはならない。・労働組合員であることや加入履歴、結成意思、正当行為により、解雇や不利益な扱いをすること。・団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。・労働組合の結成、運営に介入すること。・労働者が労働委員会に対し使用者が以上に違反した旨の申立て(再審査含む)したことや労働委員会がこれらの申立てに係る調査、審問、和解勧告、労働争議の調整時に、労働者が証拠を提示したことや発言をしたことを理由として、解雇または不利益な扱いをすること。第8条:使用者は、正当な行為により受けた損害を労働組合や組合員に対し賠償請求できない。
法律によれば、
条件の下、業務放棄をすることで経営者に圧力をかけることで交渉を進める足掛かりにする手段である。繰り返し言うが、以上の条件を満たしていれば何の問題もなく、むしろ経営者側を交渉に向き合わせるため重要な過程のうちである。
(破壊活動は不可とは書いてあるが、そのくらいしないと経営者側が動かない気がする。また、公務員もストライキOKにした方がいい気もするが…)
フランス*2をはじめとする欧米諸国などは頻繁に行われているが、なぜか日本ではほとんど行われていない。
一方で日本はほとんどストライキを見かけない。せいぜい川崎臨港バス、関東バス、相模鉄道が複数回行った程度である。
また、ストライキを起こすとなぜか迷惑だとぬかす利用者や、経営者気取りで奴隷を満喫している社畜の皆さんから文句が沸き起こる。
よくある反論とそれへの反論
ここでは、奴隷となった日本人の皆さんがする反論をいくつか挙げ、それに反論したい。
「手段が不適切」
手段が不適切とは言いますが、適切な方法とは何でしょうか?今まで話し合いを重ねてきたのだが経営者側は全く動かなかった。そのためこのような手段を講じて経営者側と交渉しようとしているのである。また、破壊活動などは一切行っていないため、法律的にも適切な手段である。*3
「社会に迷惑」
えーと、なぜ社会をわざわざ持ち出しているのですか?というか、「社会に迷惑」であってはいけない理由があるのですか?おそらく理由として「こうすると社会が維持できない」というのでしょう。しかし、あなたもうすうす感じているとは思いますが、日本社会はとても窮屈で要求のハードルが極めて高い。そこまでして社会を維持したいのですか?民衆にとって窮屈な社会ならさっさと壊して(そして、それを吊り維持している支配者を排除して)よりよいものを作り直した方が良いと考えませんか?
「権利を主張する前に義務を果たせ」
「義務」とは何でしょう?内容を具体的・定量的に示してもらえませんか?それと、「義務は権利取得の前提条件」になっている理由を説明してもらえませんか?
あえて義務というのなら、決められた時間と内容の労働力提供でしょうが、労働に従事している限りこれは果たしています。
fuckjapaneseculture.hatenablog.com
「働かせていただいているだけありがたいと思え」
なぜ「雇用される」ことが「ありがたいこと」なのですか?おそらくこの命題を「絶対服従せよ」とか言うことにつなげたいんでしょうが、なぜ絶対服従する必要があるのか、とりあえず1000文字程度で説明してくれませんか?
最後に
労働者が経営者気取りをするのはやめろ。経営者気取りをしても経営者にはなれない。むしろ経営者がノリノリで搾取をひどくするだけだ。