日本社会の疑問を考えるブログ

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コロナウィルスと日本の労働

 新型コロナウィルスの流行に伴い外出自粛および在宅勤務の要請が出された。しかし、朝ラッシュは特に変わっていなかった。ここから考える日本型労働の問題点を考察したい。

 

 

在宅勤務を整備していなかった点

 本来在宅勤務はこういった緊急時など関係なく常に労働者が選択できるように整備されておくべきであるが、日系企業はまったくそのような準備を行ってこなかった。したがっていざ在宅勤務をしようとなると、にっちもさっちもいかなくなるか、基盤整備から始まることになってしまった。具体的にはWebカメラを購入する*1VPNを設定する、中には持ち運び用ではないはずのデスクトップパソコンを会社から自宅にもっていく、なんて人もいた。

 このように曲がりなりにも対応できたところもあるが、それすらもできていないところも多くあった。ここではその理由を考える。

 

「ハンコ出社」

 文字通り書類への捺印が必要だからと出社することである。確かに、他人の印鑑を作ったり無断使用するなどして捺印の過程を省略すると私文書偽造などに問われる。しかし、だからといって出社しなければいけない理由にはならない。

 

 そもそもこの時代にもなって紙媒体に偏重し、そこに印鑑を押さなければいけない会社文化がおかしい。書類は紙媒体でなければいけない法律は存在しないし、署名や印鑑も電子的に済ませても問題ない法律が整備されている。*2また、印鑑がなければサインでも問題ない。*3どちらもコロナ騒動の前から。よって、元は書類もパソコンで作成するのだから、印刷せずにメールなどで送信し、電子署名をもらえば出社せずに済むわけである。

 

一緒に働く時間は重要?

 これもよく言われることである。一緒に働くことによってそれがまわりに影響して士気が上がるだとかいったことである。しかしながらこれもただの勘違いである。

 

 隣の意識高い系を見て自分もやろう、みんな張り切っているから自分も張り切ろう、となるのは自分で行動のコントロールができないことのあらわれである。もっと言えば、それから醸成された雰囲気によりこちらも無理せざるを得ない状態になっているという、非常に迷惑なことなのである。もっと言えば、楽をしていると感じるのであれば自分がそのペースにあっている証拠である。

 

 それに、周りに誰かいないと寂しいor何もできないのは、そもそも人間は一人であるということを忘れている。結局のところ人間死ぬときは一人だ。

 

会社の予算不足

 色々と建前は並んでいるが、結局はこれが一番の理由であろう。大して業績の出ない会社だから在宅勤務をするだけの予算を組めない。あるいは上層部がITに弱くそんなことをすると自分の無能さが露呈するから怖くて予算を通せない、なんてことだろう。結局のところ、そんな会社や上司は存在価値がない。

 

在宅勤務は簡単にできる

 結論から言えば、在宅勤務は極めて簡単にできる。会社のシステムにアクセスするためのVPNと会社貸与の軽量ノートパソコン(Macbook Air, Microsoft Surfaceなど)を用いればすぐに作業ができる。会議や業務連絡用にチャットアプリ(Slack, Microsoft Teamsなど)をインストールしておけば何の問題もない。

 

 というか、新型コロナウィルス関係なく在宅勤務ができるようシステムを整備し、理由によらずいつでもできるようにするのが当たり前なのだが。

 

結局客と会社の要求は変わらなかった点

 次にあげる理由として、業務内容上在宅勤務ができない業界(医療、接客、運輸物流など)の労働者に対して客側の要求がいつも通り、あるいはコロナ騒動でもっとひどいものになったことが考えられる。このウィルスが蔓延している状況、通常通りに働かせておけば労働者の移動や彼らとの接触がおこり、感染が広がる。これを見越して会社側は業務を縮小しているのだが、いつも通りのサービスを要求し、中にはどうでもいいものを頼んで余計な仕事を増やし、これができないからと怒り狂い怒涛のクレーマーぷりを発揮する。中にはせっかく宅配業者が持ってきたものを受け取り拒否したうえでばい菌扱いしたり*4、管轄外のマスクの質問を宅配業者に投げてわからないからとお門違いの怒りをぶつける。いい迷惑だ。

 

 本来、こういった害悪でしかないし、会社にとってもほとんど利益にならないバカな客など無視しておいてよいし、そういった客が暴れだしたらロープで縛って警察に突き出せばよいのに、会社がお客様は神様だと盛大な勘違いをするからさらに客をつけあがらせる。で、そのしわ寄せが労働者に向かうわけである。この結果、コロナ騒動が起きても日本の労働のブラックさは改善するわけもなく、むしろ悪化した。

 

日本しぐさならではの点

 日本人らしいといえばらしいが、日本人はみんながしなければ自分が行動できない。結果お互いけん制しあって誰も行動しなくなるか、少しの人が行動してもそれ以外は行動しない。結局朝ラッシュは変わらず。変わったのは通勤客の口元だけ。

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 関係各省庁や地方自治体は時差出勤を呼び掛けているが、ただ呼びかけるだけでは無意味であることを補足しておく。先ほどのように自分で考え行動することのできない日本人はみんなやっているからということで行動しないか、逆に呼びかけを聞いて行動したとしてみんなが時差出勤して、結局はラッシュ時間帯がずれるだけになる可能性がある。ねらいはどうであれ時差出勤は一部の人が異なる時間帯に通勤することでラッシュ時間帯の混雑を軽減することが目的である。そんな中全員が時差出勤してしまっては混雑時間帯がずれるだけで混雑そのものの解消にはならない。

 

 時差出勤以外も同様で、みんながやらないから誰もやらない、ということで何も起きなかったり、みんなしたせいで問題が解決することができないのが日本しぐさである。

 

今回の感染症問題はブラック企業を倒産させるチャンスだ

 今回は、コロナ騒動における日本人の労働に関する問題点とそれに対する日本人の行動を批判した。

 

 このように日本人には何が起きようとも古臭い伝統を覆させることができそうにないが、今回はわずかに期待が持てる。というのも、このコロナ騒動で多くの中小企業が倒産しているとのことである。だいたいこういった企業は会社を経営していくだけの十分な予算がないから労基法を守れなかったり姑息なごまかしをしたり、労働者にしわ寄せをしたりして生き延びてきたわけだ。そういう会社がつぶれることはブラック企業で労働することによりブラック企業を存続させている日本人に再考の余地を与える機会になるであろう。

 

 要するに、このような姑息な真似をしなければ存続できない企業にはこの際潰れてもらって、無能害悪な経営者には借金漬けにでもなってもらったほうが世のため人のためである。確かに、失業者は増えるのだがわざわざブラック企業に入って搾取されてまで働いて失業率を(見かけ上)下げるのはよくない。そのくらいなら失業していた方がマシである。

 失業していては金がない?何をおっしゃる。そのための福祉(失業保険、生活保護)があるじゃないか。そういう時は遠慮なく福祉を使えばよい。何も恥ずかしいことはない。国民が福祉を使わないから、政府がつけあがって福祉を削減しようとする。遠慮なく使っておけば政府も福祉に力を入れるようになる。

 税収はどうするかって?そんなものは企業がたくさん持っている内部留保を搾り取ればよい。大体消費税なんて法人税の穴埋めなんだから、そんなの法人税で賄えばよい。

 

 さあ、最後にみんなで叫ぼう。

ブラック企業は消えてなくなれ!!!

福祉を使わせろ!!!

政府や会社は金返せ!!!